警備業法では 警備員に対する教育を厳格に定めています
確かな安全と安心の提供には、高品質な警備業務の提供が不可欠です。
警備に関する一定以上の知識や技能を持って、警備のプロとして質の高い警備業務が実施できるよう、法定教育制度、警備員指導教育責任者制度、機械警備業務管理者制度、検定制度など様々な教育制度が確立されています。
警備の仕事をしていく上では、必須の研修の他に国家資格等を取得することで仕事の幅が広がり、現場や教育の責任者を任されるようになっていきます。
警備の種類や規模によっては、現場に有資格者の配置が義務付けられているため、資格を持っていると待遇面などで有利になる場合があります。
法定教育制度
警備業者は、警備員に対し警備業務を適正に実施させるための教育と必要な指導及び監督を行わなければなりません。
日々変化する社会情勢に的確に対応し、適正に警備業務を実施するために、新たに警備業務に従事しようとする警備員に対する新任教育のほか、現に警備業務に従事している警備員に対する現任教育も義務付けられています。
各警備業者は、警備業法で定められた法定教育を確実に実施することはもちろん、警備員指導教育責任者等による現場巡察指導、面接指導、OJTやOFF-JTによる研修の実施など、幅広い手法を用いて質の高い警備員の育成に取り組んでいます。
新任教育
新たに警備業務に従事する警備員は、新任教育を受けてから警備業務に就きます。警備員として最低限習得すべき基本教育(基礎的法令や知識、心構え、技能等)を学び、さらに業務別教育を受けた後、それぞれの現場において実地に教育を受けます。
現任教育
現任の警備員は、年度ごとに現任教育を受けます。現任の基本教育及び業務別教育は、各業務、現場の実態に即した教育を実施し、警備員の知識及び能力の維持向上を図っています。
警備員指導教育責任者制度
警備業者は、営業所ごと及び警備業務の区分ごとに警備員指導教育責任者を選任しなければなりません。
警備員指導教育責任者は、警備員の指導及び教育に関する計画を作成し、その計画に基づき警備員を指導・教育する業務などを行います。なお、警備員指導教育責任者資格者証は、都道府県公安委員会が区分ごとに行う「警備員指導教育責任者講習」の修了考査合格者に交付されます。
受講対象
- ① 最近5年間に受講しようとする警備業務区分の警備業務に従事した期間が通算して3年以上の者
- ② 受講しようとする警備業務の区分に係る1級検定の合格証明書の交付を受けている者
- ③ 受講しようとする警備業務の区分に係る2級検定の合格証明書の交付を受けている者であって、その合格証明書の交付を受けた後、継続して1年以上にわたる警備業務区分に係る警備業務に従事している者
- ④ 公安委員会が前記①~③の者と同等以上の知識及び能力を有すると認める者
受講申込み
都道府県公安委員会(住所地を管轄する警察署の生活安全担当課)に受講申込書を提出してください。
機械警備業務管理者制度
機械警備業務は、警備業務対象施設から離れた場所で機械装置を使用して警戒活動を行うという点で、現場におけるマンパワーによる警備を中心とする他の警備業務とは性格を異にしています。
機械警備業務を行う警備業者は、基地局ごとに機械警備業務管理者を選任しなければなりません。
機械警備業務管理者は、警備業務用機械装置の運用を監督し、警備員に対する指令業務を統制する業務などを行います。
なお、機械警備業務管理者資格者証は、都道府県公安委員会が区分ごとに行う「機械警備業務管理者講習」の修了考査合格者に交付されます。
受講申込み
都道府県公安委員会(住所地を管轄する警察署の生活安全担当課)に受講申込書を提出してください。
検定制度
警備業務のうち、その実施に専門的知識及び能力を要し、かつ事故が発生した場合に不特定又は多数の者の生命、身体又は財産に危険を生ずるおそれがあるものとして国家公安委員会規則で定める種別の警備業務を行うときは、「特定の種別の警備業務の実施基準」に基づき、その種別ごとに検定の合格証明書の交付を受けている警備員を配置しなければならないとされています。
検定は、施設、交通誘導、雑踏、貴重品運搬、空港保安及び核燃料物質等危険物運搬の各警備業務6種別について行われ、それぞれ1級と2級に区分されていますが、空港保安及び核燃料物質等危険物運搬の警備業務については、県内では行われておりません。
これら検定は、公安委員会が行う試験を直接受ける方法と、警備員特別講習事業センターから委託を受けた当協会が行う講習会(特別講習)の課程を修了(講習会を受講し、修了考査に合格)し、公安委員会の試験を免除される方法がありますが、いずれの場合も公安委員会に合格証明書の交付申請を行う必要があります。詳細は当協会に問い合わせてください。
受験資格
2級はだれでも受験できますが、1級は次のいずれかに該当しなければなりません。
- ① 検定を受けようとする警備業務の種別について2級の検定の合格証明書の交付を受けている者であって、合格証明書の交付を受けた後、その種別の警備業務に従事した期間が1年以上である者
- ② 公安委員会が①に掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると認める者
検定資格を有する警備員の配置
全国では、道路工事現場や各種のイベント会場等で事故やトラブルが発生しています。これらリスクを回避するための危機管理対策上、検定資格を取得した警備員の配置が不可欠です。
万一、検定資格取得警備員の配置が義務付けられた現場に配置せずに事故が発生した場合は、警備業者はもちろん、発注依頼者も刑事、民事上の責任を追及されるおそれがあります。
道路工事現場等
道路工事現場等における交通誘導警備業務については、警備業法第18条を受けた「警備員等の検定等に関する規則(平成17年国家公安委員会規則第20号)」により、県公安委員会が「道路における危険を防止するため必要と認めた路線」として県内26の国道・県道等を指定し、「交通誘導警備業務1級又は2級の検定資格を取得した警備員の配置」を義務付けています。
工事施工者は、警備員の配置義務道路の有無のほか、警備を発注する際の検定資格取得警備員の有無をそれぞれ確認する必要があります。
- 県告示 鹿児島県公安委員会が道路における危険を防止するため必要と認めた路線(302KB/PDF)
各種イベント会場等
花火大会、祭礼、マラソン大会等各種イベントの開催に伴う雑踏事故の防止を図るため、雑踏警備業務についても「雑踏警備業務1級又は2級の検定資格を取得した警備員の配置」が義務付けられ、特に大規模イベント開催等の雑踏警備業務では、現場統轄管理者として1級検定資格取得警備員の配置が義務付けられています。
イベント主催者は、警備業務を発注依頼する場合、検定資格取得警備員の配置の有無を確認するとともに、警察署との事前協議に警備業者を同席させるなどして警備計画を策定するなど、事故防止に万全を期す必要があります。
- 雑踏警備業務における検定合格警備員の配置基準(68KB/PDF)
講習等計画
当協会及び県公安委員会が令和4年度に行う警備業務に係る各講習計画は次表のとおりですが、諸般の事情により変更される場合がありますので、事前に当協会にお問い合わせください。
- 令和5年度 講習計画(239KB/PDF)
事前講習・特別講習実施計画
講習名 | 新規受講者 | 再講習者 | 交付申請先 | ||
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受講料 | 講習日数 | 受講料 | 講習日数 | ||
交通誘導警備業務1級・2級(年1~2回) | 33,000円 | 2日 | 13,200円 | 1日 | 住所地の警察署 |
施設警備業務1級・2級(年1回) | 33,000円 | 2日 | 13,200円 | 1日 | |
貴重品運搬警備1級・2級(不確定) | 33,000円 | 2日 | 13,200円 | 1日 | |
雑踏警備業務1級・2級(年1回) | 33,000円 | 2日 | 13,200円 | 1日 |
*この講習を受講・修了した方は検定試験の学科試験及び実技試験が免除になります。
警備員指導教育責任者・機械警備管理者講習実施計画
講習名 | 新規取得者 | 追加取得者 | 交付申請先 | ||
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受講料 | 講習日数 | 受講料 | 講習日数 | ||
警備員指導教育責任者講習1号(年1回) | 47,000円 | 6日 | 23,000円 | 3日 | 住所地の警察署 |
警備員指導教育責任者講習2号(年1回) | 38,000円 | 5日 | 14,000円 | 2日 | |
警備員指導教育責任者講習3号(年1回) | 38,000円 | 5日 | 14,000円 | 2日 | |
警備員指導教育責任者講習4号(年1回) | 34,000円 | 5日 | 10,000円 | 1.5日 | |
機械警備業務管理者講習 (年1回) | 39,000円 | 3日 | - | - |